2016.11.23
筋肉の海に浮かぶ関節
こんにちは。
ウィルワン整体アカデミーです。
筋肉の海に浮かぶ関節
今日は、関節の中でも特に有名で、日常生活やスポーツとも関連の深い肩関節について。
肩関節のことを誰が呼んだか「筋肉の海に浮かぶ関節」ということがあります。
ナゼそう呼ぶのか…肩関節の特徴とあわせて学習していきましょう。
(関節の基本については前の記事を参照)
肩関節の特徴
肩関節[けんかんせつ]は、肩甲骨の外側にある浅いくぼみ(関節窩[かんせつか])と、上腕骨上端の半球状の部位(上腕骨頭[じょうわんこっとう])とが組み合ってできる関節です。
肩甲骨の関節窩が浅く小さいため、上腕骨頭の動きは制限されず人体で最大の可動性を持ちます。しかし、その分外れやすく脱臼もしやすい、安定性に欠く関節ともいえます。
さらに、肩関節では関節包が緩くできており、関節の可動性に一役買っています。
ちなみに、肩関節は前後、左右、ひねりの3方向に動き、それらの動きを組み合わせることで”ぶんまわし”という複合運動も可能です。
※テスト対策
・関節の構成:上腕骨頭(上腕骨)⇔関節窩(肩甲骨)
・補助構造:関節唇
・運動性:屈曲―伸展、内転―外転、内旋―外旋
肩関節の安定性を高める構造
上に書いたように、浅い関節窩、緩い関節包と関節そのものが脆弱な肩関節では、関節を安定させるためにオプション構造(補助構造)の力を借りています。(オプション構造についてはこちらの記事を参照)
ひとつは、関節窩の周縁からせり出す関節唇。ゴムパッキンのようにくぼみをフチ取り、関節窩に多少の深さを与えることができます。
もうひとつが肩関節を覆う筋群。肩甲骨から上腕骨の間には、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋という4つの筋が存在し、それらの筋群の腱(筋と骨とをつなぐ硬い構造)がくっつきあって上腕骨頭をコーティングし、これを回旋筋腱板(ローテーター・カフ)と呼びます。4つの筋が縮むことで上腕骨頭を関節窩側に引き寄せ、関節の安定性にかなり寄与しています。
以上のように肩関節は、その安定性を周囲の筋群に委ねている、筋への依存度が高い関節といえます。この特徴をみて「筋肉の海に浮かぶ関節」と表現したのですね。
おわりに…
筋への依存度が高いというのは別に悪いことではありません。確かに筋は使わなかったり無理に働かせすぎると弱ってしまいますが、裏を返せば適切に筋を動かし、鍛えることによって歳を重ねてもパフォーマンスを取り戻せる関節ともいえます。
なんだか真面目に終わりました。
押さえるポイント
・肩関節の構成
・肩関節は脆弱な構造でほかへの依存度が高い
・肩関節を覆う回旋筋腱板(ローテーター・カフ)について